オーデックス・ジャパンは2024年10月16日(水)、20年近く取引があるスペインのワイナリー「マス・ケ・ヴィノス」社のアレハンドラ・シュメデスさんが営業活動で来日された機に、西麻布のスペイン料理店「フェルミンチョ」で歓迎の夕食会を開き、親睦を深めました。イベントの模様をお伝えします。
1.「マス・ケ・ヴィノス」社とアレハンドラさん
アレハンドラ・シュメデス(ALEXANDRA SCHMEDES 以下アレハンドラ)さんは、ドイツ人の両親のもとで生まれました。成人するとワインのビジネスに就き、ヨーロッパ各地のワイナリーで勉強しました。
やがて、スペインでワインのコンサルティング業を営むなかで、スペイン人のゴンサーロ夫妻と知り合いました。
3人で意気投合し、ゴンサーロ夫妻の家族が所有していた19世紀のワイナリーの土地と施設を修復して1999年に立ち上げたワイナリーが「マス・ケ・ヴィノス」社です。2024年に創業25周年を迎えました。
アレハンドラさんは、創業者であり、生産者でありながら、英語が喋れることから営業も兼務し、世界各国の取引先を訪ねています。
2.アレハンドラさんとオーデックス・ジャパン
オーデックス・ジャパンのニーノ(代表取締役 森俊彦)は2005年の夏、日本に輸入する海外ワインの調査をするために購読していた海外誌のうち、アメリカの著名ワイン評論家ロバート・パーカーが手掛けたワイン雑誌『ワイン・アドヴォケイト』のなかで、スペインの「マス・ケ・ヴィノス」社が好評価だったことが気になり、ビジネスの取り組みの意向を伝えようと思いました。
そこで、ニーノは、スペインの「マス・ケ・ヴィノス」社に国際電話をかけ、スペイン語で訪問の打診をしました。
そのとき、ニーノは電話応対に出たアレハンドラさんから「日本とのビジネスの取り組みには興味があるけれど、これからワイナリーは夏期休暇に入り、私は故郷のドイツに帰省する。ドイツまで来てくれれば商談する」といわれました。
すぐに、ニーノは、自身が夏期休暇を過ごしていたハワイから日本に帰国せず、そのままドイツのフランクフルトへ飛び、アレハンドラと商談し、「マス・ケ・ヴィノス」社のワインの輸入を決めました。
そのときの印象を、アレハンドラさんは夕食会で回想し「2005年の夏、ニーノさんにはじめて会ったとき、変な日本人だと思いました。だって、私がスペインにいるときはスペイン語で話し、ドイツで会ったときはドイツ語で話すのよ」と語りました。
3.アレハンドラさんの着こなし
夕食会のアレハンドラさんの着こなしは、新鮮に見えました。
自身のナチュラルホワイトのヘアカラーに黒のメガネを合わせ、モノトーンの基調をつくる。
その基調に合わせ、この日は、レザージャンパーやトップス、ボトムス、スニーカーをモノトーンでまとめる。
アクセサリーもシックなカラーで合わせながら、スカーフやスマフォケース、バッグなどの小物はイエローで統一してアクセントにしました。
その背景をアレハンドラさんにたずねると「身につけてるいアクセサリーのほとんどは、贈られたもの。たとえば、これは父親から、これは親友から…。すべて、贈ってくれた人のことを思いながら身につけています」
イエローのアクセントカラーは「私も、ブドウ栽培も、太陽が大切だと思っているから、太陽を感じるようなイエローのアイテムを好んで選んでいます」と答えました。
日本人に着こなしをたずねると、個々のアイテムをブランド名で答える人は多いけれど、国際的に営業活躍するアレハンドラさんが、都会的なスタイルを、自分のストーリーをベースに着こなす術は、現代洋装のルーツ、ヨーロッパの粋を垣間見たようで、参考になりました。
4.「フェルミンチョ」の料理とワイン
料理についてアレハンドラさんは、「全体的に、モダンな創作が加えらたスペイン料理の印象。それでも、前菜のアンチョビは、スペイン産の伝統的なデリケートな味わいが生きて美味しかった。お店と接客の雰囲気が心地よく気に入った」と語りました。
◆料理に合わせたドリンク
⚫︎スパークリング・ワイン
スペイン「グラモナ」社
「グラモナ・ルストロス・ブリュット・ナチュール・コルピナット」
ブドウ種:チャレッロ中心 生産年:2014年
⚫︎白ワイン
フランス「ミッシェル・ニーロン」社
「サシャーニュ・モンラッシュ」
ブドウ種:シャルドネ 生産年:2021年
⚫︎赤ワイン
フランス「ミッシェル・ニーロン」社
「サシャーニュ・モンラッシュ」
ブドウ種:ピノノワール 生産年:2020年
料理に合わせるワインは、ニーノがセレクトしました。その意図をニーノは、「グラモナ」のスパークリンク・ワインは「オーソドックスな味」。
フランスの「ミッシェル・ニーモン」社の白と赤のワインは「30数年間取引があるフランスのワイナリーのワイン。スペイン料理店でありながら、上級ワインとして、おすすめいただいていることから選んだ」と語りました。
5.まとめ
アレハンドラさんに商況をたずねると「輸出が85%で、主な出荷先はアメリカやドイツなどの大国。売上の伸びは、若者の酒離れなどで、世界的にワインを飲む人が減り、落ち着いています」と答えました。
ニーノは「マス・ケ・ヴィノス」社との20年近い取り組みを回想して、「アレハンドラさんと、日本中、あらゆる所に行った」と語りました。
アレハンドラさんが毎年のように営業活動で来日すると、ニーノは日本全国の「マス・ケ・ヴィノス」社のワインを納めるスペイン料理店へ連れて行き、店主に紹介し、親睦を深めてきました。
夕食会の会話も、その思い出話が中心になりました。
ハイテクが発達した現代でも、ブドウの栽培や、ワインの作り方の基本は、変わりません。
営業活動も、人柄を感じる、対面の接客の尊さに、変わりがないことを実感した夕食会でした。
(監修:オーデックス・ジャパン 写真・文:ライター 織田城司)
Supervised by ODEX JAPAN Photo & Text by George Oda