
オーデックス・ジャパンは、近隣の桜が満開になった2025年4月5日(土)、高松桜まつりへの出店と、高輪ワインクラブを同時開催しました。イベントの模様をお伝えします。
1.高松桜まつり

【高松桜まつりの概要】

高松桜まつりは、東京都港区高輪に、いくつかある町会が合同で開催し、町内の業者や個人による物販・飲食の出店の展開や、野外コンサート、旧跡の公開などが行われました。
高輪四丁目のオーデックス・ジャパンは、ワインを販売する出店で参加しました。


【高輪一丁目と皇族のゆかり】

宮内庁は1889(明治22)年、高輪一丁目に土地を所有し、1927(昭和2)年から、大正天皇の第三皇子、高松宮宣仁(たかまつのみや・のぶひと)親王(1905〜1987)の邸宅として利用しました。
この高松宮邸は、第二次世界大戦中、空襲の被害にあいませんでした。
このため、高松宮様は、終戦からの復興と、庶民の住宅確保のために、高松宮邸の土地の半分を民間に払い下げました。この土地に現在、港区立高松中学校や、都営高輪一丁目アパートが建っています。
そのような縁から、都営高輪一丁目アパートの敷地で開催される桜まつりには、この地にゆかりがある高松の名がついています。
その後、高松宮邸は、高松宮様と喜久子妃が亡くなると、2004(平成16)年から高輪皇族邸として無人のまま宮内庁に管理されてきました。
2020(令和5)年から2022(令和7)年まで、上皇ご夫妻が、赤坂御所改築中に、高輪皇族邸に仮住まいされ、話題となり、皇族の高貴で清楚な印象を、高輪の地に伝えました。
【高輪一丁目と忠臣蔵のゆかり】

年末の風物といえば、日本では、古くから忠臣蔵が親しまれています。
江戸年間の1702(元禄15)年12月14日、現在の兵庫県赤穂市近辺を領土とした外様大名の赤穂藩筆頭家老・大石内蔵助(おおいし・くらのすけ 大石良雄の通称)以下47人の義士は、主君・浅野内匠頭(あさの・たくみのかみ)の仇討ちのため、両国の吉良邸に討ち入りました。
大石内蔵助は、仇討ちを果たすと、主君が眠る泉岳寺の墓前で、仇討ちを報告し、使者を通じて幕府に自首しました。
通報を受けた幕府の役人は泉岳寺に来ると、待機していた大石内蔵助以下47人の義士を、幕府の裁定が出るまで、近隣の四つの藩屋敷に分け、預かりの身としました。
このとき、大石内蔵助と16人の義士は、現在の高輪一丁目にあった細川家の屋敷に預けられました。

細川家が、高輪一丁目に所有していた屋敷は、現在の熊本県の大半を領した外様大名の熊本藩細川家の中屋敷にあたります。
いわば、別宅で、本宅の上屋敷は、現在の東京駅北側にある複合商業施設、丸の内オアゾの場所にありました。
別宅でも広く、現在の港区高松中学校から都営高輪一丁目アパート、高輪皇族邸、ピーコックストア高輪魚藍坂店までを含む敷地でした。
大石内蔵助ほか16名の義士を預かった細川家の藩主、細川綱利は義士の武勇をたいへん気に入り、手厚くもてなしました。
しかし、翌年の2月4日、義士に幕府から切腹の裁定が下ると、それぞれが預かられていた藩屋敷の庭で切腹しました。
大石内蔵助と16名の義士が切腹した、細川家の庭にあたる場所は、現在東京都旧跡「大石良雄外十六忠烈の跡」として残されています。
その旧跡は普段、扉で閉ざされながら、高松桜まつりの日に公開されています。

地下鉄白金高輪駅近くにある東京都指定天然記念物の「旧細川邸のシイ」は推定樹齢300年。
江戸時代に細川家の屋敷にあった木が生き続け、高輪一丁目で、忠臣蔵をめぐる物語があったことを、いまに伝えています。
【高輪一丁目と横溝正史のゆかり】

明治元(1868)年、明治政府ができると、大名屋敷の土地は没収されました。
高輪一丁目にあった細川家中屋敷の土地は、1873(明治6)年から海軍病院が建ちました。
その後、1889(明治22)年から宮内庁の土地となり、1927(昭和2)年から高松宮邸になりました。
この海軍病院があった明治初期、現在のピーコックストア魚藍坂店の近くにある坂道は、通称、病院坂と呼ばれていたそうです。
この坂は、探偵・金田一耕助シリーズで知られる推理小説作家、横溝正史が1970年代に書いた小説『病院坂の首縊りの家』の題材となり、高輪が殺人事件の舞台になり、泉岳寺や高輪警察署、魚藍坂下などのランドマークが登場します。
横溝正史は神戸出身で、東京の地理に詳しくなく、忠臣蔵で唯一知っていた泉岳寺を手がかりに着想を広げ、周辺の高輪の街を調査しながら、物語の舞台にしたそうです。
高輪の地が、全国でも関心を持たれていることを感じるエピソードです。

【オーデックス・ジャパンの出店】

オーデックス・ジャパンは、さまざまな歴史がある高輪一丁目で、4月5日(土)に開催された高松桜まつりに、ワインを販売する出店で参加しました。
4月1日からオーデックス・ジャパンの社員になった武田尚孝と、高輪在住で、いつもオーデックスのイベントを手伝ってくださるSBI証券勤務の石田雅章さんが、11時から16時まで、ヨーロッパのワインをボトルとグラスで販売しました。


2.高輪ワインクラブ

◆イベントの概要
日時:2025年3月29日(土) 11:00〜16:00
場所:東京高輪 オーデックス・ジャパン社 敷地内
◆内容
オーデックス・ジャパンの社屋を解放して、ワインを囲む会食や、ワインの買い物、建物のデザインや空間を楽しむ会。
隣家の桜が咲く季節は、お花見もお楽しみいただけます。





3.お客さまの笑顔
イベントに参加されたお客さまを紹介するコーナーです。
【泉岳寺のYさん】

泉岳寺にお住まいのYさんは、近隣を散策する途中、偶然オーデックス・ジャパン社で、建物と桜に興味を持ち、ご来社されました。
建物の見学やお花見、グラスワインを楽しまれました。
【都バス愛好者の女性】


練馬区から来られた都バス愛好者の女性は、シルバーパスを利用して、都バスの旅を楽しんでいるそうです。
そのガイドブックは、東京都交通局が無料で配布している都バスお散歩ガイド広報誌「乗り隊歩き隊」
そのなかの、コラムニスト泉麻人さんのコラム「ふらり都バスの旅」の旅路を追体験することがお好きだそうです。
同誌は3月22日に最新の「くじゃく号」が配布されたばかり。
そのなかの、泉麻人さんのコラムは、都バス反96系統(五反田駅↔︎六本木ヒルズ)を利用して、御殿山から高輪一丁目をめぐる旅路を描いた「高輪松ヶ丘のシイの木」でした。
この日、都バス愛好者の女性は、さっそくコラムの追体験をはじめ、御殿山を散策してから、高輪一丁目に向かう途中で偶然、オーデックス・ジャパン社の前を通り、建物と桜に興味を持ち、来社され、建物の見学やお花見を楽しまれました。
都バス愛好者の女性は、翌日の4月6日が喜寿(77歳)の誕生日。自分へのお祝いの楽しみと、旅のお土産として、ワインを1本購入し、次の目的地に歩きはじめました。
【東京広尾のイタリアンレストラン「ラ・ビスボッチャ」オーナー大森威宜さん夫妻】

東京広尾のイタリアンレストラン「ラ・ビスボッチャ」は1993年に創業しました。
オーデックス・ジャパンは同店の創業当時から、イタリアから輸入したワインを納め続けています。
この日は、オーナーの大森威宜(おおもり・たけよし)さんご夫妻が、京都旅行の帰路、お立ち寄りいただきました。


大森夫妻とオーデックス・ジャパンの森夫妻は、野外でワインを飲みながら花見を楽しまれました。夕方、陽がかげると、肌寒くなったため、社屋内の桜が見える部屋に移動しました。
そのころ、高松桜まつりの出店を撤収した石田雅章さんと、オーデックス・ジャパンの武田尚孝が合流しました。
石田雅章さんは、大森夫妻と初対面ながら、家族構成や船舶免許、金融業、地域猫など、共通の話題を見つけて座を盛り上げました。
大森夫妻からは、京都土産のお菓子やパンが振る舞われ、皆でワインに合わせて、交流を楽しみました。


4.まとめ
イベントに参加された皆さま、誠にありがとうございました。
日本の春の風物詩、お花見。誰とどこにお花見に行ったかは、印象に残ります。オーデックスのイベントも、お花見のお役に立てれば幸いです。
特に、ロゼワインは、色も味わいも、お花見によく合い、雰囲気を盛り上げ、好評でした。
来年のお花見シーズンも、ぜひご利用ください。
5.次回イベント予告

2025年4月19日(土)、5月17日(土)
イベント「高輪ワインクラブ」
開催時間 11:00〜16:00
会食や、建物見学、ワインのお買い物などに、ぜひご利用ください。
※5月は17日(土)のみの開催となります。
※参加ご希望のお客さまは、あらかじめお電話やメールなどで、席をご予約ください。
(監修:オーデックス・ジャパン 写真・文:ライター 織田城司)
Supervised by ODEX JAPAN Photo & Text by George Oda
