世界最高の白ワインの造り手の一人とも称されるミシェル・ニーロンの本拠地は、コート・ド・ボーヌ地区にある「白 ワインの聖地」とも呼ばれるシャサーニュ・モンラッシェ村。標高206から410mのなだらかな丘陵地は、「チョーク 層」と呼ばれる石灰岩の土壌で、ミネラル分たっぷりの上質なシャルドネを生み出します。白ワインの聖地にも関わら ず、丘の下部に植えられているピノ・ノワールも秀逸で、隠れたピノの銘醸地としてその名を馳せており、ミシェル・ニー ロンも白ワインのみならず優れた赤ワインも作っています。 


これまでシャサーニュ・モンラッシェは、約100年前にドメーヌを創設し、早くからアメリカに輸出して成功したラモネ が村一番の実力者として世界的に有名でした。現在では、このドメーヌ・ラモネと肩を並べているワイン、とロバート・ パーカー氏に評されるほどミシェル・ニーロンの作るワインは高く評価され、白ワイン最高峰の生産者の1人です。 ニーロンのドメーヌは地元出身のレオン・ニーロンよって始められました。その息子マルセル・ニーロンが受け継ぎ、3 代目のミシェル・ニーロンの代になってから、大きな変革を経て高い評価を受けるようになります。ミシェルと父マルセ ルの親子の共同作業によるワインが最初に市場に出たのは1960年。その後ミシェルは50以上もの優れたヴィンテージ を次々にリリースしていきます。真剣な研究の結果、様々な方法を用いて丹精込めたワイン造りを続けていったのです。 徐々に規模を大きくし、新しい技術も導入していきました。3世代目のミシェルは先祖から受け継いだ伝統を重んじつつ も、新しい方法をうまく取り入れ、ドメーヌを改革していくことに成功しています。「シャサーニュ村の雄」と言われ、 最も入手困難な造り手の一人2020年にはミシェル・ニーロンがこの世を去るという悲報が業界を駆け巡ったが、現在 は、ミシェル氏の娘婿であるミシェル・クトー、そして最近では孫のマチュー・ブレッソン、リュシー・クトーが加わり、 驚くほど安定した品質のワインを造り続けています。 


【見かけたら必ず買うこと】というのがブルゴーニュワインラヴァーの間で合言葉となるほど入手困難を極める造り手、 ミッシェル・ニーロン。シャサーニュ・モンラッシェに本拠地を置き、ドメーヌ・ラモネと双璧を成す、所有する畑は僅 か7.5ha。 バタール・モンラッシェとシュヴァリエ・モンラッシェの2つのグラン・クリュに加え、優れた一級畑を数多く所有。年 間総生産量僅か4,000本程という、その生産量の少なさもさることながら、芳醇なアロマが特徴の柔らかでリッチな味 わいで、「シャサーニュ村の雄」と評され、羨望の的となっています。 ミッシェル・ニーロン氏のワイン造りのモットーは、「古樹から収量を抑えてワインを造ること」。古樹を大切にし、収 量を徹底的に抑えることで、たっぷりと旨味を蓄えた凝縮感溢れる、力強くエレガントなワインが生み出されると考えて います。その為ワインに使用するブドウは、樹齢50年~60年のものを中心とし、最低でも樹齢45年以上のブドウに限 ります。樹は1926年に植えられたもの、あるいは1962-68年にかけて植えられたもの。彼自身、古木から低収量のワ インが最上と考えている。 

醸造方法
発酵は小さなステンレスタンクとバリックを半々併用。白は村名クラスで新樽率15%以上、グランクリュで25%前後使用して約12ヶ月熟成。

Chassagne Montrachet Village Blanc(白)
1ha。古いところで40年樹。新しいところで18-20年樹。

Chassagne Montrachet Village Rouge(赤)
1ha。古いところで40年樹。新しいところで18-20年樹。

Chassagne Montrachet 1er Cru Clos de La Maltroie
1.5ha。樹齢25年。シャンガンとは道を隔てて隣どうしに位置する。マルトロワの南半分にあり、ここではより重さのあるワインとなる。

Chassagne Montrachet 1er Cru Les Chaumees
1.5ha。北東向きの冷涼な斜面。平均70年樹。石灰が多く古木であるためエレガントなワインとなる。

Chassagne Montrachet 1er Cru Les Champgains
グイヨー仕立ての20年樹。山側の方に位置し、優しい味わいのワインとなる。

Chassagne Montrachet 1er Cru Les Vergers
2001年に植えられた樹。村の北側の緩やかな斜面。粘土と砂利の石灰岩の土壌であるため、よりミネラル感の強いワインとなる。

Chevalier-Montrachet Grand Cru
0.23ha。40年樹。