Matador Arroyo 2016

¥15,600 (税込)

U=MATADOR Arroyo 2016
〈マタドール〉アロヨ

あのテルモ・ロドリゲスがプロデュースする生涯に一度だけの夢の共演

【造り】José Luis Mateo Garcia

【アーティスト】Eduardo Arroyo (エドゥアルド・アロヨ)

産地  ガリシア地方モンテレイ

品種  ヴェルデーリョ、ドナ・ブランカ、トロンテ他 

生産数 2024本

 

【山本昭彦先生ワインレポート】 ガリシア地方モンテレイのキンタ・ダ・ムラデッラ(Quinta da Muradella)が古木のゴデーリョ、ヴェ ルデホ、ドニャ・ブランカ、バスタルドなどをフィールドブレンド。フードルで発酵させた。突き刺す ようなレモニーな酸、グレープフルーツ、濡れた石、ナッツ、チョーキーなテクスチャー、冷涼感と緊 張感が詰まっている。ハーバルで厳格さを帯びていて、にがり塩を溶かしたような硬質な味わい。時間 をかけて空気に触れさせると、まろやかさとハーモニーが生まれる。時間をかけて飲みたい。エドゥア ルド・アロヨは画家、著作家、舞台美術家。2024本。92点

 

 

 

親愛なる友へ

 葡萄栽培の伝統において、自然と歴史は、必要不可欠な基礎であります。自然というのは、時の経過は引き止められないことを教えてくれる完璧な作品です。そして完璧さは、素朴さととてもよく似ています。

 歴史というのは、部分的には日常の積み重ねで作られていくことを教えてくれます。そしてその積み重ねは、自分の仕事に肉体と魂を捧げ、情熱を抱き、時を超えた成果を生み出す「ひと」という財産から出発します。

 エドゥアルド・アロヨの作品は、この「日常の素朴さ」を表現しているひとつの形であると言えるでしょう。

 私たちが、かの芸術家に捧げるささやかなワイン「ビーノ・アロヨ」は、モンテレイの歴史的源泉たる葡萄畑からつくられたものです。モンテレイは小さな地方ですが、残酷な時の経過に対抗しながら、自らの個性を失わぬように奮闘している土地であります。

 このワインは、ガリシアの4つの古い葡萄畑から誕生しました。それらは、フィロキセラ禍に冒された最初の芽がこの地方で発見され、葡萄栽培が途絶えてしまったと云われた期間においても、生き残った古い畑でした。南西の方角、標高600mのところに植えられ、伝統的な手作業で栽培されています。これらの畑は「ひと」が忍耐強く改良を重ねてきたところで、ゆえに大昔から伝わる葡萄品種(ドナ・ブランカ、バスタルド・ルビオ、トロンテス、ゴデーリョ・アンティグオ、ヴェルデーリョ・ロウロ)のブレンドについても熟知しています。鉄分を含んだ粘板岩の土壌のエッセンスとミネラル質が表現できるように、バランスを調整して長期熟成のワインが完成しました。

 このワインの中では「豊潤さ」を求めないでください。なぜなら、素朴な自然の味の生産地だからです。私たちの生産地は、長い間、自由を求めて奮闘してきた人たちの暮らす土地なのです。「自由な人びとの往来」と、「コウトミスト(19世紀まで存在したスペインとポルトガルの境にあった小国)」の近郊によって練り上げられた共存の精神が根付いている土地です。

 私たちの生産地は、その長い葡萄栽培の歴史に誇りを持っており、忘れ去られまいと奮闘しています。自然と共存することを望んでいます。それは、未来のためであり、また「過激さ」を求めない自らの歴史と個性を再興するためでもあります。

ホセ・ルイス・マテオ・ガルシア

 

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