オーデックス・ジャパンは2024年11月2日(土)、「弓指貴弘個展」と「フードトラック・ハガリ ランチ会」を同時開催しました。
在廊した弓指貴弘さんに、画業の変遷を語っていただいたインタビューも収録しました。
イベントの模様をお伝えします。
1.弓指貴弘個展 mirror of the soul
◆イベントの概要
日時:2024年11月2日(土) 11:00〜16:00
場所:東京高輪 オーデックス・ジャパン社屋内 グラスハウス
◆内容
画家・弓指貴弘さんの最新作を展示即売する会。
当日は弓指貴弘さんも在廊
2.画家・弓指貴弘インタビュー
「いい鬼を描く」
個展を開催中の画家・弓指貴弘さんに、画業の変遷についてインタビューしました。
お生まれは?
弓指貴弘さん、以下弓指 1993年に、福岡県北九州市小倉南区で生まれました。今年の10月で31歳になりました。
子どもの頃から絵が好きでしたか?
弓指 そうです。子どもの頃から絵が好きで、描いていました。保育園児のとき、親に連れられて絵画教室に行きました。
自分で絵を描くのは好きでしたが、誰かに教えられて描くのは好きではなかったので、先生と合わず、体験入学だけで終わりました。
アニメへの興味は?
弓指 絵は好きでしたが、漫画家になろうとは思いませんでした。とはいえ、画家の暮らしのイメージもわからず、絵で稼いで暮らすビジョンもありませんでした。
高校生のとき、進路に迷っていると、美大出身の先生から、絵が好きなら、美大を目指せば、とアドバイスを受け、その方向に進むことにしました。
それで、高校2年生の半ばから、美大を受験するまでの約一年半、地元の美大専門の予備校に通い、やがて、九州産業大学の芸術研究科に入学しました。
その頃好きだった画家は?
弓指 オランダのレンブラント(1606 – 1669)や、イギリスのターナー(1775 – 1851)です。
今の画風と真逆の古典ですが?
弓指 高校までは水彩画を描いていて、淡い色調が好きで、レンブラントやターナーの画集をよく見ていました。模写まではしませんでしたけれども。
その頃は、ポップアートや現代アートの知識もほとんどなかったし、逆にあまり好きではなかった。シンプルすぎて、手がこんでいなくて、私には安っぽく見えて、興味をそそられませんでした。
大学に入学し、実技の時間に絵を描いても、ポップ調の作品は描きませんでした。
担当の教授が版画の先生で、線を編み目のように重ねながら陰影や奥行きをつける技法を教わり、それを絵画に転用して描いていました。
そんなある日、地元の北九州市立美術館で開かれた、オランダ生まれの絵本画家レオ・レオニ(1910 – 1999)の展覧会を観に行き、衝撃を受け、その世界観に引き込まれました。
子どもの頃、絵本が好きで、よく見ていた記憶も、よみがえりました。
それで、自分も絵本に出てくるような絵を描きたいと思うようになりました。
それまでは、ホップ調の絵は、アートとして発表するものではないと、自分で勝手に決めつけていたけれど、描いてみると、自分のスタイルに合い、気持ちがあたたかくなることに気がつきました。
それまでの版画調の線描画はモノトーンの色調で、暗い世界観で描いていたけれど、色を使い、キャラクターがカワイイほうが、描いていて、自分のマインドが明るくなると思い、画風をポップ調に切り替えました。
今はポップ調でシリーズ化しています。新作の着想は?
弓指 毎年シリーズをつくるように描いています。
2022年は、ハートの中に小さなキャラクターが密集する「ハート・シリーズ」
2023年は、SNSのアイコンをテーマに丸や四角の枠の中でキャラクターを描く「ワンパーソン・シリーズ」
2024年は、漫画に鬼や動物を組み合わせた「トゥーン・デーモン・シリーズ」
トゥーンはカートゥーンの略で、アメリカの子ども向けのアニメのジャンルのことです。小学生の頃、メチャクチャ好きでよく観ていました。
それに合わせる鬼のキャラクターは、現代では、退治するものから対峙するものに変化していると考えました。
自身の中にいる鬼と向き合えば、その鬼が守護神として現代社会から守ってくれる。そんな、いい鬼として描いています。
それが、今回の個展に「mirror of the soul」というタイトルをつけた思いで、自分との対峙を表しています。
2025年は、「トゥーン・デーモン・シリーズ」を継続しながら、新しいシリーズを加えていく予定です。
ありがとうございました。今後の創作活動に期待します。
3.フードトラック・ハガリ ランチ会
◆イベントの概要
日時:2024年11月2日(土) 11:00〜16:00
場所:東京高輪 オーデックス・ジャパン敷地内
◆内容
「フードトラック・ハガリ」は、東京青山の高級イタリア料理店「チンクエ・メッゾ」のオーナーシェフ・葉狩洋(はがり・ひろし)さんが調理する惣菜やパン、お菓子を、娘の葉狩澪蘭(はがり・みらん)さんがフードトラックに積んで、移動販売する業態です。
レストランのクオリティのお料理が、お求めやすい価格帯で、社屋内でグラスワインと合わせたイートインやテイクアウトでお楽しみいただけます。
◆当日のメニューから
4.まとめ
当日は、あいにくの雨模様のなか、イベントをご利用いただいたみなさま、誠にありがとうございました。
「フードトラック・ハガリ」の葉狩澪蘭さんは、イベントの直前に博多へ旅行に行きました。
事前に北九州出身の弓指貴弘さんに、博多の美味しいラーメン屋の情報を仕入れ、立ち寄ったそうです。
イベント終了後のスタッフ慰労会で、そのことを葉狩さんから聞いた弓指さんは「めっちゃ、うれしい!」と語りました。
葉狩さんは当日の慰労会で、博多土産のカステラや、ご当地ポテトチップを振る舞ってくれました。ありがとうございました。
5.次回のイベント予告
2024年11月16日(土)
3イベント同時開催!
①弓指貴弘さん個展 11:00〜16:00
②「フードトラック・ハガリ」ランチ会 11:00〜16:00
社屋内でイートインご希望の方は、あらかじめご予約ください。
③「建築とワインを楽しむセミナー」
10:30 受付開始
11:00 第1部 内木先生による建築解説
講師: 内木博喜(ないき・ひろき)
株式会社エーエムエス 代表取締役 早稲田大学芸術学校講師
11:00 社屋内で座学による建築解説
11:30 社屋内外を巡回して細部のデザインを解説
12:00 第2部 easy WINE nino vino happisimo トーク
講師:nino mori(森 俊彦 odex )
12:30 終了 自由解散
セミナーは会費制 おひとり様 ¥3,000(税込)
※お土産の赤ワイン(750ml)1本と社屋内で飲むグラスワイン1杯付き
セミナー終了後、個展やランチ会もあわせてお楽しみください。
セミナー受講希望者は、あらかじめご予約ください。
2024年12月14日(土)、15日(日)、21日(土)、22日(日)
イラストレーター・フカザワテツヤ個展「グラス越しの風景」 11:00〜16:00
2024年12月14日(土)、21日(土)、22日(日)
「フードトラック・ハガリ」ランチ会 11:00〜16:00
3日間は、フカザワテツヤ個展と同時開催です。
なお、12月7日(土)はホノルルマラソン参加の都合で、「フードトラック・ハガリ」ランチ会はお休みします。
あらかじめご了承ください。
(監修:オーデックス・ジャパン 写真・文:ライター 織田城司)
Supervised by ODEX JAPAN Photo & Text by George Oda