セラ・ダルベラ自然公園に1905年に植えられた古木

 D.O.エンポルダは地中海とピレネー山脈の間、カタルーニャ地方の北東、バルセロナの北に位置します。この地域はセラ・ダルベラとカプ・デ・クレウスという二つの自然公園の一部であり、地域全体が政府の統括のもとに大切に管理・保護されています。地中海性気候に支配されつエンポルダの年間降水量は550mmほどと少なく、かつ絶え間なく吹く強い風のおかげで、ぶどうは常に健全な状態に保たれます。また、ピレネー山脈と地中海とが隣り合うことにより大きな気温差が生まれ、8月から9月にかけての爽やかな陽気はぶどうを見事に熟成させます。

アナ・エスペルト

 バレタは、エル・ブジやサンパウといったスペインの名だたるレストランのオンリスト・ワインとして著名なエスペルトが、ぶどう造りにとって最適なエンポルダの環境で育つ様々な品種から、その土地の個性を見事に表現する本物のワインを造ることを目的として設立した全く新しいプロジェクトです。そして、そのワインはエンポルダに育つぶどうの個性を最大限に引き出すため、全て単独の品種で造られています。

 バレタが所有するぶどうの樹齢は総じて高く、古いものではなんと1905年にセラ・ダルベラ自然公園に植えられた古木まであります。

痩せたスレートと花崗岩で構成されている土壌

 また、その土壌は痩せたスレートと花崗岩で構成されています。土壌があまりに痩せているがゆえに一本の樹からわずか1kgしかぶどうを収穫できないほどです。しかし、ぶどうにとって厳しいこの環境こそがワインの品質を高めています。

 エンポルダというぶどう造りにとって理想的な環境、その地に古くから伝わる固有のぶどうの樹、そしてその魅力を知り尽くしたワイナリーのワイン造り。バレタはそれらの要素がぎっしり詰まったワインです。