
オーデックス・ジャパンの森夫妻は旅に出かけ、自然や土地の料理との出会いを楽しみにしています。
立春を過ぎたばかりの2月8(土)〜11日(火)は、冬の名残りと春の兆しを求めて、神奈川県の三浦半島と、千葉県の房総半島をめぐりました。旅の模様をお伝えします。
◾️2月8日(土)11:00 神奈川県横須賀市
三笠公園

⚫︎スポットガイド 三笠公園
神奈川県横須賀市の都市公園。岸壁には日露戦争で活躍し、日本を勝利に導いた戦艦「三笠」が記念艦として保存され、内部が見学できる。
記念艦「三笠」のプロフィル
1902年 英国で竣工
1905年 日本海海戦でロシアに歴史的勝利
1926年 記念艦として保存
1961年 往時の姿に復元

◾️2月8日(土)12:00 神奈川県横須賀市
どぶ板通り

⚫︎スポットガイド どぶ板通り
どぶ板通りは、京急汐入駅から在日アメリカ海軍基地にかけての商店街。
もとは、明治時代に帝国海軍の軍港街として栄えた地域です。海軍から提供された鉄板で通行の邪魔になるドブ川に蓋をしたのが通りの名の由来とされています。
第2次世界対戦後は、横須賀港に駐留したアメリカ海軍の街として栄え、海兵隊のお土産のために開発されたスカジャン(横須賀ジャンパーの略)発祥の地として知られる。


2月8日(土)12:30 神奈川県横須賀市
カフェ・レストラン「ハニービー」


⚫︎スポットガイド カフェ・レストラン「ハニービー」
横須賀のご当地グルメといえば、海軍(ネイビー)にゆかりのある、ヨコスカ海軍カレーや、ヨコスカ・ネイビーバーガーが有名です。
「ハニービー」は1968年に創業。ヨコスカ・ネイビー・バーガーは、牛肉100%つなぎ無しの挽肉によるハンバーグ227gを鉄板で両面焼き、塩コショウで味をつける。
昔ながらの白胡麻がたっぷり乗ったバンズやレタスの葉1枚のたたみ込み、トマト、オニオンを重ねた創業時から変わらぬ味。お好みでトマトケチャップやマスタードを加える。
写真からはわかりにくいが、一般的なハンバーガーの2倍くらいの大きさがある。店員から、分厚いけれど、上から圧縮して、低くして、お食べください、と教えられる。
アメリカ海軍兵の体格を思わせるビックなボリューム。量が多いだけでなく、味もしっかりしている。
かつてアメリカ映画で観たような、レトロなアメリカン・カフェレストランの雰囲気も魅力。

◾️2月8日(土)14:00 神奈川県横須賀市
ペリー公園

⚫︎スポットガイド ペリー公園
1853年7月14日にアメリカのペリー提督が久里浜に上陸し、開国の契機となったことを記念して作られた歴史公園。園内にはペリー記念館、ペリー上陸記念碑などがある。
歴史散歩コラム 軍港横須賀
三浦半島の横須賀市は幕末、アメリカのペリー艦隊が現れたことから、日本中が大騒ぎになり、開国、近代化の舞台となり、静かな漁港は、軍港へと変貌を遂げました。
戦後はアメリカ海軍が駐在し、街を闊歩するアメリカ人を相手に、ハンバーガーショップやジャズを演奏するホールなどが栄え、大衆文化の発信地として注目されました。
現在は、軍港の施設を見学することはできませんが、記念館「三笠」や、どぶ板通りなどが、軍港の面影を偲ばせています。
◾️2月8日(土)15:30 神奈川県横須賀市
佐島マリーナホテル


⚫︎スポットガイド 佐島マリーナホテル
佐島マリーナホテルは、神奈川県三浦半島の天神島に建つホテル。
1965年にヨット好きの俳優・森繁久彌(もりしげ・ひさや)がつくった「佐島マリーナ」の隣に、宿泊施設として1971年に開業した。
歴史散歩コラム 昭和の俳優
俳優・森繁久彌(1913〜2009 96歳没)は、森繁(もりしげ)の愛称で親しまれ、戦前からアナウンサーとして活躍し、戦後は喜劇俳優として、映画「社長シリーズ」が当たり役となりました。
人気俳優とはいえ、ひとりの俳優が佐島マリーナのような、ヨットハーバーをつくることは、現代では想像もつかないスケールです。
その背景は、森繁が活躍した1950年代は、テレビが登場する前で、映画が娯楽の主流でした。
映画会社は花形産業として景気が良く、大映や東映、松竹などの映画会社は、プロ野球の球団を所有したこともありました。
佐島マリーナホテルは、映画が花形産業だった時代と、芸達者なタレントの勢いを偲ばせています。

◾️2月8日(土)17:00 神奈川県横須賀市
佐島マリーナホテル
レストラン「モア」 夕食フレンチコース









エピソード ティファニーで夕食を
2023年秋、オーデックス・ジャパンと取引があるイタリア中部アブルツォ州のワイナリー「マシャレッリ」社の当主、マリナ・ツベティッチ女史が来日しました。
森夫妻は同社のワインを扱う日本のレストランのプロモーションのためにアテンドしました。
大阪ツアーに同行したニーノはある日、マリナさんからホテルのフロントに呼び出され、心斎橋のティファニーのショップに連れて行かれました。
店内でニーノはマリナさんから「男は結婚したら、妻にこういうお店のジェエリーを贈るものよ。ニーノは久美に何か贈ったの?」ときかれ「いいえ」と答えると、マリナさんから「すぐ買いなさい」と言われたそうです。
ニーノは翌日、ひとりでティファニーのショップに行ってネックレスを選び、帰京すると、久美に贈ったそうです。
佐島マリナーナホテルの夕食で久美が身に付けていたネックレスは、ニーノが贈ったティファニーのネックレスでした。

◾️2月9日(日)6:30 神奈川県横須賀市
佐島マリーナの日の出


◾️2月9日(日)7:30 神奈川県横須賀市
佐島マリーナホテル
レストラン「モア」朝食


◾️2月9日(日)9:00 神奈川県横須賀市
大楠山ハイキングコース
◆大楠芦名口コース

⚫︎スポットガイド 大楠山
大楠山(おおぐすやま)は三浦半島で最高峰、標高242mの山。佐島マリーナホテルから近く、山頂に向かってハイキングコースが整備されている。山頂まで片道約60分


◆大楠山 山頂


◆前田橋コース


◾️2月9日(日)13:00 神奈川県横須賀市
佐島マリーナホテル




◾️2月9日(日)16:30 神奈川県逗子市
なぎさ通り商店街

⚫︎スポットガイド なぎさ通り商店街
JR逗子駅から田越橋まで約800mのびる商店街です。



◆靴のヨコハマ屋 逗子店



◆テキーラバー「エル・アグーハ」





エピソード 靴下とテキーラ
森夫妻は、夕食のために17:30から予約していた炭火串焼き「ほっ田」に30分ほど早く着いてしまい、お店はまだ準備中でした。
そこで、ニーノは「どこかでアペリティーヴォ(食前酒)を飲もう」と、なぎさ通りを散策。
店頭にカラフルな靴下を並べる店に惹かれ、靴下を購入。店内にテキーラを提供するバーがあることを発見し、入店しました。
ニーノは、店主に「クセのないものを」といって1杯注文。チェイサーとしてトマトベースのジュースと、岩塩などを盛り合わせたお通しが付きました。
店主によると、屋号の「エル・アグーハ」はメキシコの言葉で「針」の意味で、刺繍を得意とし、靴下は仕入だそうです。
ニーノは店主としばしメキシコ談義で盛り上がり、ちょうどいいアペリティーヴォ・タイムになりました。
◆炭火串焼き「ほっ田」

⚫︎スポットガイド 炭火串焼き「ほっ田」
銀座の焼鳥屋の名店「バードランド」で修行した料理人が独立して逗子で創業したお店。「バードランド」がオーデックスの欧州ワインを仕入れていた縁で、同店でもオーデックスから仕入れた欧州ワインを提供している。





エピソード ヨガ
「ほっ田」の夕食に同席された小澤美佐子さんは、1980年代はじめにオーデックス・ジャパンで勤務したことがあるご縁です。
退社後はヨガを学び、2014年に神奈川県横浜市金沢区でヨガスタジオを「abc Yoga スタジオ」を開業。現在の会員数は約170名だそうです。
著書に「ヨーガ呼吸で生を豊かに」(2008年 文芸社)、「ヨーガ講師の股関節患者が整形外科医にききました!ヨーガで心身をコントロール」(2019年 文芸社)があります。
いまでも、オーデックス・ジャパンの高輪のイベントに足を運んでくださる小澤さんは、「ニーノさんは、仕事を続け、いろいろやろうとしているから健康なのでは」と語りました。







◾️2月10日(月)7:30 神奈川県横須賀市
佐島マリーナホテル
レストラン「モア」朝食


◾️2月10日(月)10:10
東京湾フェリー

⚫︎スポットガイド 東京湾フェリー
神奈川県久里浜と、千葉県金谷を約40分で結ぶフェリー。三浦半島と房総半島を結ぶ最短ルート。
◾️2月10日(日)12:30 千葉県鴨川市
誕生寺

⚫︎スポットガイド 誕生寺
千葉県鴨川市小湊にある日蓮宗の寺院。鎌倉時代の1276年に日蓮の弟子が、日蓮の生家跡に建立したのがはじまり。
歴史散歩コラム 夏目漱石と誕生寺
小説家の夏目漱石(1867〜1916)は、大学に入る一年前の1889年、友人と千葉県の房総半島へ旅をしたことがあります。お目当ての目的地は、日蓮が生まれた地を祀る誕生寺でした。
そのときの経験は、のちの1914年に漱石が発表した代表作「こゝろ」に登場する先生のエピソードの着想に使われました。
小説には「ちょうどそこに誕生寺という寺がありました。日蓮の生まれた村だから誕生寺とでも名付けたものでしょう、立派な伽藍(がらん)でした」と書かれています。





◾️2月10日(日)13:45 千葉県市原市
養老渓谷駅







◾️2月10日(日)15:00 千葉県夷隅郡大多喜町
粟又の滝

⚫︎スポットガイド 粟又の滝(あわまたのたき)
千葉県夷隅郡大多喜町粟又にある滝。養老渓谷の上流にあり、シンボル的な名所で、養老の滝の名でも親しまれている。
近年、斜面の崩落から、滝壺から下流にのびる遊歩道は通行止めになっている。
◾️2月10日(日)16:30 千葉県勝浦市
三日月シーパークホテル勝浦






⚫︎スポットガイド 三日月シーパークホテル勝浦
1961年に太平洋を望む現在の地にオーシャンビューホテル、勝浦ホテル三日月として創業。
1984年2月に昭和天皇・皇后両陛下が宿泊。夜は宴会場で披露される勝浦の郷土芸能をご覧になり、地元の新鮮な食材を使った料理を召し上がられました。
ホテルを出発するとき「景色のよいところで、ゆっくりくつろげてありがとう。従業員の行き届いたもてなしをうれしく思います」というお言葉を残されました。
1993年11月に上皇・上皇后両陛下が宿泊されました。
2022年にホテルマネージメントインターナショナル株式会社に経営譲渡した機に、三日月シーパークホテル勝浦と改称。





◾️2月11日(火)6:30 千葉県勝浦市
勝浦朝市

⚫︎スポットガイド 勝浦朝市
勝浦朝市は、430年以上も昔から続く朝市です。6時30分から11時にかけて開かれ、食材やストリートフード、服飾雑貨などを扱う出店が集う。三日月シーパークホテル勝浦から徒歩約6分。







エピソード 早朝のソフトクリーム
ニーノは朝6時半、ホテルから勝浦朝市に向かう途中、茶屋の前で「ソフトクリームのディスプレイがある。食べたい」といって、店の窓口に向かい「すみません」と声をかけました。
すると、応対に出てきた年配の女性店員は「朝市の方向はあちらです」と指差しました。その時の気温は2度。まさか、寒い早朝からソフトクリームを食べる客はいないと思ったのでしょう。
そこで、ニーノが「ソフトクリームをいただきたい」と告げると店員は「あれま」と驚き、慌てて店内に引き返し、ソフトクリームを出してくれました。
この後、森夫妻は勝浦朝市で、わらび餅や、さつまいもポタージュスープ、つぼ焼き丸干しいも、木工細工の買い物を楽しみました。

まとめ
森夫妻は、この旅の2週間前の1月25日(土)、佐島マリーホテルにはじめて泊まり、翌日の大楠山ハイキングコースとともに、気に入ったことから、再度訪問しました。
その間に、高輪のイベントで出会った知人から聞いた話で、千葉県の勝浦に興味を持ち、旅程に加えました。
ニーノは旅の終わりに「いままでの旅で、伊豆半島と三浦半島は頻繁に通ったけれど、房総半島を訪ねたことは少なかった。
今回の旅で、房総半島は、昔ながらの里山の風景がたくさん残り、海洋資源も豊富で、伊豆半島や三浦半島とちがう魅力があることがわかった。これからも開拓していきたい」と語りました。
(監修:オーデックス・ジャパン 写真・文:ライター 織田城司)
Supervised by ODEX JAPAN Photo & Text by George Oda
